くま(@kuma_fufu)です!
前回『チックタック:二人のための物語』をプレイしたときの感想を書きましたが、物語が面白かったので考察も含めてまとめてみました!
※ネタバレ全開ですのでプレイしていない方は絶対に読まないでください!
プレイした後にぜひ読んでみてください♪
Tick Tock: A Tale for Two
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登場人物紹介
主な登場人物は2人と1羽。ゲーム中に2人の顔は出てくることがなく、妹のレアケの後ろ姿の写真が出てくるだけである。
アマリー・ラブン:1915年〜
ラブン家の長女。天才時計職人かつ発明家。
妹のレアケのことを溺愛しているが、それ以外の動物や周囲の人の命については興味がない。ずっとレアケと一緒にいたいと願っている。
レアケ・ラブン:1917年〜1937年
ラブン家の末娘。
アマリーが作っている時計に興味がなく、アマリーからのプレゼントもあまり好んでいない。白色のカラスであるKOLのことが好きである。
レアケは1937年に行方不明になってしてしまった。
KOL(白色のカラス)
レアケに懐いている珍しい白色のカラス。
レアケとよく遊んでいるため、アマリーには妬まれている。
ストーリーについて(※ネタバレ有り)
このゲームのストーリーは3章で構成されていて、第1章が1927年、第2章が1932年、第3章が1937年となっています。
物語の中でレアケからアマリー宛の手紙の切手が『DANMARK』と書かれているのと、ゲームを開発している会社がデンマークにあることから、舞台はデンマークだと思われます。
序章
2人のプレイヤーがアマリーから小包を受け取ったところから物語が始まります。
ゲーム内のデジタル時計の日付は、プレイヤーがプレイしている日付になっています。
今日、あなたと友人は、不思議な荷物を2つ受け取りました。その荷物それぞれに古い時計が入っています。その荷物の差出人の名前は「アマリー・ラブン」と書いてあり、あなたの友人も同じものを受け取りました。
小包にはそれぞれ『手紙』『新聞の切り抜き』『時計』が入っています。
手紙
親愛なるプレイヤー1へ
この時計はゲームの一部であり、私が妹のために作ったものです。友達と共にプレイし、読んだり見たりしたことをお互いに教え合って謎を解き進めていってください。
私の妹を見つけたら、私が会いたがっていると伝えてください。〜 アマリー
親愛なるプレイヤー2へ
あなたとあなたの友人に、時計を1つずつ送りました。これからゲームをプレイするのであれば、友人と一緒に過去を探ってください。時計のネジを巻くのをお忘れなく。
〜 アマリー
新聞の切り抜き
村で行方不明 また発生
1937年3月14日 火曜日
有名な時計技師一家の末娘であるレアケについて、昨日行方不明になったという届けが出されました。彼女の姉であるアマリーによると、最後にレアケを見たのは10時半だということです。
当然のことながら気が動転していたというアマリーは、後に彼女の証言を訂正し、最後に見たのはその1時間半後のはずだと証言しました。
時計
プレイヤー1と2では時計が異なっています。
プレイヤー1の時計には『Amalie 1915 -』と刻印されており、これはアマリーのものだということがわかります。アマリーは1915年に生まれたようです。
プレイヤー2の時計には『Larke 1917 -1937』と刻印されており、この時計はレアケのものです。1917年は生まれた年、1937年は行方不明になった年を示しています。
また、レアケの時計にはヒビが入っており、この何気ないヒビが後に意味を持ってくることになります。
アマリーから送られた時計にはある仕掛けが施してあり、謎を解くと時計の中に吸い込まれていき序章が終わります…
第1章:1927年
これは私とレアケがかつて生きていた世界の複製を、私が作ったのものです。レアケは1937年に失踪しましたが、全てが始まったのはその11年前でした。
プレイヤーたちが時計の中に吸い込まれた先は、アマリーが作った1927年の世界でした。当時アマリーは12歳、レアケは10歳だったと推測されます。
そして、1927年の世界では4つの行き先があり、『駅舎』『ラブン一家の自宅』『井戸』『ラブン時計』になります。
なぜ私が上のような画像を用意したかわかるでしょうか。
実は時計に吸い込まれた先では、プレイヤーは時計の中心に位置しており、プレイヤーの視点の先には常に長針の針があることに気付きます。
そして右に移動するにつれ15分間時計が動き、それにつられて短針も動いていきます。気づきにくいですがよくできてますね。
また、プレイヤー2はレアケの時計であるため、ところどころ白いカラスの『KOL』が見つけられるのも面白い一面ですね。
ラブン家の自宅
レアケ、プレゼントを気に入ってくれると嬉しいんだけど!反時計回りに、3回回して、時計回りに2回、反時計回りに2回回してから、時計回りに回し続けてね。それから絶対に離さないで。
アマリーはレアケにプレゼントをしたようですが中身はびっくり箱でした。おそらくアマリーはこういったプレゼントをレアケに何度も送っていたのでしょう。
その結果、レアケはアマリーのプレゼントをあまり好まないようになり、こういった描写も後に綴られます。
ラブン時計
ラブン時計にはラジオがおいてあり、以下のような情報を聞くことができます。
先月警察はペット達が行方不明になっているという複数の報告を受け始めました。そのほとんどは、年寄りの猫や犬だそうです。全てのペット達がすぐに見つかりますように。
ラブン家の長女アマリーは、素晴らしい時計職人であり発明家でもあります。彼女の痕跡はいつも、彼女の作品の一つ一つに散らばっています。
ラブン家は先月ここに引っ越しをし、昼夜も問わず必死に働いていました。そして本日18日に、彼らの時計屋をオープンする予定のようです。
また夜の間にペットが盗まれる事件がありました。今回はジェイソン夫人の心優しい農場犬だそうです。犯人が見つかるまでは家の施錠をしっかりするよう用心してください!
奇妙な出来事が起こりこの村がショックに陥っています。命を落とした鳥の群れが見つかり、その群れは森の地面いっぱいに広がっていた模様です。
郵便物を取りに5マイル先まで歩いていくのはやめましょう!3月になりこの村の郵便局の工事開始日が今月末まで迫ってきました。
珍しい白色のカラスはラブン家の末娘に懐いているようです。このカラスが他のペットのように行方不明にならないよう祈るばかりです。
1927年には村の中で動物達が行方不明になる事件が起きていました。行方不明になるだけでなく、中には死体となって発見される動物たちも出てきており、村の中ではかなりの大事件となっていることがわかります。
この時点で既にアマリーは天才的な頭脳をもっているようです。ラブン時計は1927年3月18日水曜日にオープンしたことが後にわかります。
そして、物々しい雰囲気を漂わせたまま第2章につながっていきます…
第2章:1932年
実験のための動物を見つけるのが困難になってきたけど、簡単に手に入る動物がまだ一匹だけいるわ。私はレアケのために時計を作っていると伝えたけど、レアケは興味がなさそうだった。あの馬鹿な鳥と遊ぶのに夢中だったから。
第2章の舞台は5年後の1932年になります。
冒頭の話から実はアマリーが動物たちの行方不明に関わっていること、実験しているのはレアケのために作っている時計のためだということ、そして白いカラス『KOL』までも実験対象として考えていることがわかります。
5年前は井戸だった場所が工事によって郵便局になっていることも大きな変化ですね。
ラブン一家の自宅
下の階に、ある物をおいておいたよ、私の最大の発明になるはず。
私たちの秘密のメロディーを流せば、扉が開くよ。〜 アマリー 〜
このバージョンを完成させるために、もう1年も書斎で頑張っていたの。レアケ、これをあなたに保管していてもらいたいの。大事にしてとても大事にね。キッチンであなたが見つけたあの2匹の子猫たちを世話していたみたいに。5年後にもっと知識があれば、このバージョンの作業を再開して完成させるわ。それじゃ、夕食の席で会いましょう。
そして、プレイヤーが下の階にいくと時計を見つけます。ヒビの入り方がレアケの時計と一緒なので同一のものでしょう。
5年後にバージョンアップするということなので、レアケの時計は不完全なのでしょう。まだ、時計の中に対象者を吸い込む機能は無いと推測されます。
郵便局
アマリー、これが時計屋への鍵よ。仕事が終わったら、私のカラスを探すの手伝ってくれない?
〜 レアケ 〜
1932年のある日に、レアケの白いカラス『KOL』が行方不明になります。
そして、レアケはアマリーに時計屋の鍵を渡してほしいと頼まれたのでしょう。『KOL』を誘拐したのがアマリーだと知らずに探すのを手伝ってほしいと頼みます。
ラブン時計
オープン時(3時ー9時)
ラブン時計にはアマリーの作業場があります。そして、『書き置き』『見習い証明証』『KOL』がいます。まだオープンしている間は『KOL』は行方不明になっていなく、そしてアマリーはしまった後に作業するための道具を既に用意しています。
この道具を片付けないで、店が閉まってから作業をするから。
〜 アマリー 〜
見習い
親愛なるアマリーへ
あなたが私の見習いとして選ばれたことをお知らせできること、とても光栄に思います。
あなたの時間抽出の実験は、実に画期的なものです。我々の人生のスパンが短く、それが不公平だという意見には賛成です。我々のように世界を改善し、向上させていく者たちにとっては特にです。
スイスであなたの実験の手助けができることを、とても楽しみにしています。
敬具
クラリッサ・シャー
腕時計職人マスター
アマリーは時間抽出の実験を行っていて、その実験をスイスのクラリッサ・シャーの元で更に深く学びに行くようです。クラリッサ・シャーもアマリーの考えに賛同しています。
クローズ時(9時ー12時、0時ー3時)
アマリーはクラリッサ・シャーの時計学を応用して、自分の時計で時間抽出の実験を行うことを考えています。
日本語版だと分かりづらいのですが、『時計学』の本にアマリーが自分の考えをメモしています。英語版だと明らかに字のフォントが異なるので、クラリッサ・シャーの本の内容なのか、アマリーが走り書きした内容なのか区別がつきます。
クラリッサ・シャーはこの『時計学』で精密で正確な時間の測定方法を記述していますが、アマリーは自分の考えを『時計学』に応用することで時間抽出ができるのではないかと思っています。
そして、アマリーの考えたとおりに時計を改良することにより、『KOL』は時計の中に吸い込まれてしまいます。
この場面で、初めて時計を利用した時間の抽出の実験の成功しました。クラリッサ・シャーの元、抽出した時間を自分のために利用する方法を研究しに行くのでしょう。
この時点では、時計に動物の時間を抽出させただけですから…
第3章:1937年
動物から時間を抽出することは、思ったより簡単だったわ。後は人間で同じことをやる必要があるわね。レアケが時計の中に入った人達を傷付けたくないのはわかっていたわ。だから彼らを出してあげることにした。
第3章は5年後の1937年になります。既にアマリーはスイスから帰ってきていて、人間からも時間の抽出を行っているようで、レアケはそれに気づいています。
この時代では駅舎がなくなっており時計塔になっていました。また、ラブン時計は閉店してしまったようです。アマリー達の父に才能がなかったのか、それとも行方不明などの事件から客足が遠のいてしまったのか…
ラブン一家の自宅
ハロー、レアケ、やっと電話を取ってくれて嬉しいわ。ずっとメッセージをたくさん残していたのよ!待って!あなたがまだ怒っていることは知っているわ、でもまだ切らないで、知らせたいことがあるの。
私が出る前に、あなたが退屈しないよう相手になってくれるものを作っておいたの。もっと早く伝えておけばよかったんだけど…まあいいわ。ねえ、まだそこにいる?行方不明になったカラスがいるじゃない、あなたがKolという名前を付けたあのカラス。あなたに新しいのを作ってあげたの。
それに、新しいのはもっと良くなっているわよ、これは不死身なの。
アマリーがスイスから帰ってきてから人での時間の抽出を実験していて、レアケはそれについて怒っていました。それに気づいたアマリーはレアケの機嫌をとるために機械じかけの『KOL』を作りましたが、レアケはそれに対してどのような感情を抱いたのでしょうか…
郵便局
郵便局
電報まるで長い間ここから離れていたようだわ。だけど離れている間はとても短い期間に感じたの、発明のためには短すぎたもの。でもこれからは最長の人生をおくることになる、想像できるよりも更に長い時間を。このメッセージを繰り返したら、案内するわ。
レアケ、あなたと時計屋を再開できることをとても楽しみにしているわ。またちゃんとした家族になれるのね!お店の地下で会いましょう。
アマリーはスイスで発明の研究を行い、レアケと一生共にしたいという気持ちがうかがえます。そして、2人で時計屋を再会するようです。
ラブン時計
ヒルバエクの介護ホームから3人の患者が夜中に突然いなくなりました。
才能豊かなアマリー・ラブンがスイスから戻ってきました。彼女はラブン時計を再オープンして栄光を取り戻そうと心に誓っています。
警察は昨夜の事件当時にこの介護ホーム付近にいた人を探しています。行方不明になった患者を探すため助けを求めています。
郵便局の水害は修復され全ての郵便BOXの準備は完了してまた利用されます。既に手紙が郵便BOX番号34に入っています。
介護ホームのこの悲しい事件が村の古傷を再び開いてしまいました。私たちはこれらの行方不明事件が5年前の事件のように未解決のままにならないよう祈ります。
いつ鉄道が我々の村にもどってくるか知らされていません。駅は恒久的に閉鎖されました。
突然のことでしたが、新しい時計台に寛大な寄付をしたクラリッサ・シャーは、先月亡くなりました。来週のオープンセレモニーで彼女の追悼を行います。
アマリーが実験していた人達が行方不明になったことは村中に知らされているようです。この人達が戻ってきたかどうかはわかりません…
そして、スイスで一緒に発明していたであろうクラリッサ・シャーは亡くなりました。クラリッサ・シャーも時間の抽出の方法は知っているでしょうから、他の人の時間を奪って長生きすることはできたでしょうに…
考えが変わったのか、時間の抽出について知っている人を残しておきたくないアマリーによって殺されたのか。
時計塔
スイスでの長年の働きが、この時計の完成を可能にしたわ。
レアケの時計をもう1度確認したけど、しっかり動いていたわ。
ガラスのヒビが問題になるなんて、全く思ってもみなかったわ。
何年もかけて、私たちのために時間を集めていたんだもの。私たちの生命に加える時間をね。
でもその代わりに彼女は時計の中に消えてしまって見つからないの。
出口を見つけたようね。あなたと友人はこの出口のありがたみを感じてくれているといいんだけど。
アマリーが彼女の人生に追加した時間:XX分
私の中のレアケの最後の記憶は、彼女の怪訝そうな顔なの。
彼女は最初、この時計を欲しがらなかったの。彼女は、私のプレゼントはもうウンザリだって。
だからとにかく彼女にそれを持って行ったの。彼女には私の側にいて貰う必要があったから。
彼女には、盗んだ時間のことは言わなかったわ。その時計が私たちを永遠の存在にするということだけは伝えたのだけど。
彼女がその時計に触れてから、彼女に会えていないの。
ゲームをクリアしたのね。残念。集めた時間が無駄になってしまったのね。
レアケが彼女の人生に追加したであろう時間:XX分
アマリーは1932年にレアケに大事に保管してもらった時計をアップデートして、レアケに強引に渡したけど、ヒビが原因で時計の中に閉じ困られてしまいました。
アマリーの時計の中では瓶の中は空であることから、瓶に抽出した時間をアマリーの人生に追加しているが、レアケの時計では瓶の中には魂が残っていることから、レアケの人生には時間を追加できなかったのでしょう…
そして、プレイヤーはまんまとアマリーの思惑にハマり、人生の時間を取られてしまいました。出口が用意されているのはレアケが人を傷付けたくないといったことでアマリーが用意したのでしょう。
だからこそ、プレイヤーは出口にありがたみを感じなければなりません。アマリーには出口を用意しないこともできたのだから。
まとめ
物語を改めて理解した後、完全にアマリーの手のひらで踊らされていたことに気付かされました…まんまと時間を抽出されてしまいました…
ただ、物語の全てが語られているわけではないので、気になるところは残りますね。そこが面白いのかも知れませんが。
プレイヤー1の視点でしかプレイしてなかったので、プレイヤー2の視点でもう一度プレイすることで、一緒にプレイしていた人がどのように見えて、どうやって情報を伝えようとしていたかがわかるので、もう一度振り返って見ても楽しいですよ!
また、こういった謎解きゲームを探してプレイしてみようと思います!